臨床基準ガイド 読了目安 6分 · 2026年10月18日
血圧の正常値とは? 最新ガイドラインに基づく基準値の解説
米国心臓協会(AHA)および国際的な高血圧治療ガイドラインにおいて、成人の「血圧の正常値」は収縮期血圧(上の血圧)が120 mmHg未満「かつ」拡張期血圧(下の血圧)が80 mmHg未満と厳格に定義されています。120/80 mmHgという数値自体は、正常ではなくすでに「血圧高め(正常高値)」に分類されます。
重要ポイント:臨床ガイドラインの血圧基準値
- 正常血圧は 120未満 かつ 80未満 mmHg。両方の条件を満たす必要があります。
- 120〜129 / 80未満 mmHgは「血圧高め(正常高値)」であり、生活習慣改善の早期警告ゾーンです。
- ステージ1高血圧(Ⅰ度高血圧)は 収縮期130 または 拡張期80 mmHgから始まります。
- ステージ2高血圧(Ⅱ度高血圧)は 収縮期140 または 拡張期90 mmHg以上です。
- 高血圧緊急症は 180超 かつ/または 120超 mmHgで、迅速な救急医療対応が必要です。
血圧基準値が改定された背景と理由
米国心臓学会(ACC)および米国心臓協会(AHA)は、従来の「高血圧前症」という曖昧な表現を廃止し、高血圧の診断基準値を140/90から130/80 mmHgへと引き下げました。
これはSPRINT臨床試験をはじめとする大規模研究により、早期から血圧を厳格に管理することで心筋梗塞、脳卒中、心不全による死亡率が大幅に低下することが実証されたためです。
収縮期血圧(上)と拡張期血圧(下)の生理学的意味
血圧の測定値は、スラッシュで区切られた2つの数字で表されます:
- 収縮期血圧(上の数値):心臓が収縮して血液を大動脈へ送り出す瞬間に血管壁にかかる最大圧力。
- 拡張期血圧(下の数値):心臓が次の鼓動に向けて拡張(弛緩)しているときに血管内に残る最低圧力。
ステージごとの推奨される対応と治療アプローチ
正常血圧の方は、減塩や適度な有酸素運動を継続して健康な血管状態を維持しましょう。血圧高めの方は、食生活の見直しと体重管理を開始します。
ステージ1高血圧の場合、医師は心血管リスク全体を評価し、生活習慣改善指導または降圧薬治療の開始を判断します。
ステージ2高血圧では、心血管疾患予防のため速やかに降圧薬の内服治療が開始されるのが一般的です。